• 能登半島の先端、輪島塗の郷、輪島の街なかに位置し、ひっそりと宿は佇んでいます。ちょっとわかりにくく、見落としがちになるかもしれません。土蔵をイメージした黄色い土色の壁と黒の板張りに格子戸、小さな行灯が目印です。

    大きな旅館でもなく、民宿ではありますが、ちょっとイメージが違うかもしれません。キラッとした隠れた能登輪島の魅力が凝縮した小さな宿です。宿の中に入ると輪島の風が流れるように、そしてなぜか居心地よく旅の疲れを癒しゆったりとした時を過ごす、そんな大人の時間を御用意致しました。漆に触れてそして味わう。五感で感じる贅沢なひと時を旅の思い出の一つに加えて頂けることを願っています。

    • 土壁に拘る理由
    • お宿のお部屋は標準仕様のお部屋では隣町の珠洲産の珪藻土を使った珪藻土壁です。多孔質材料の珪藻土壁は呼吸する壁材として有名で、調湿機能や、防音性能、匂いの吸収など非常に優れた性能を発揮します。

      土壁は珪藻土ほどの性能はありませんが、特筆すべきはその質感です。海藻ノリですら排除した完全に土だけの壁を特別室などでは採用しています。その中に稲わらで作ったスサなどを混ぜ込んで仕上げてあります。

    • 床、柱は総漆塗り
    • 漆の世界でも触れましたが、漆は非常に優秀な木材仕上げ材料の一つです。どんな化学塗料より長期間に渡り木材を守り、防水性を発揮し、光沢を保ち、腐敗から材料を守ります。何より素晴らしいのはその色艶です。足触りの良さも大きな特徴の一つです。その塗膜の厚さは0.01mmとも言われます。そのためキャスター付きのスーツケースや杖は傷や凹みの原因となりますので御遠慮下さい。お荷物は、スタッフがお部屋まで運びますのでお声がけください。

      漆の床に映える緑の光もきれいですよ。(wi-fi利用可)

    • 大工さん

      まずは大工さん。ノミやカンナを駆使して難しい大工仕事を形にしてくれました。熟練職人の技が光ります。

    • 大工さん

      今では鉋やノミを使いこなせるような大工さんも少なくなりつつあると言われています。

    • 左官屋さん

      輪島市を中心に能登各地を飛び回る若き左官職人の折坂さんの技術がなくては、お宿たなかのしつらえは完成しなかったと言って差し支えないほどの情熱を注いでいただきました。当館の塗り壁は全て彼の手によるものです。珠洲産の珪藻土や輪島市内から探してくれた土を使い、昔ながらの接着剤も何も使わない本当に安全な土壁です。

    • 輪島キリモト

      特別室に用意したベッドは今や全国を飛び回って活躍している輪島キリモトの桐本泰一さんとお宿たなかのコラボで作り上げました。材料には上質なヒバを使い、輪島塗の木地製造技術を駆使して職人さんが丁寧に仕上げて下さいました。

    • 輪島キリモト

      寝るだけでは勿体ない?そう思えるほどの職人技が光る逸品です。お泊まりの際はそっと布団の端をめくりベッド枠を見てみて下さい。

    • 塩士建具さん

      建具ももちろん輪島の職人さんの手によるものです。塩士建具さんの親子、職人の3人が素晴らしい建具を作ってくれました。私たちの要求する難しい作りの建具、収まりの難しい建具も長年の経験で仕上げて下さいました。